Fusion8 BETAを使ってPIXPRO SP360 4Kで撮ったVR映像を展開していく方法です。
初めてBlackmagic Design Fusionを使う方の参考にもなるかと思います。
最初どういう風にいじったらわからないかと思いますのでそういう時にFusionの使い方としても参考にしていただけたらと。
Fusion8 BETAはブラックマジックデザインのサイトからフリーでダウンロードできます。
2016/02/28時点ではFusion 8.0 Beta 3になります。Fusion Studioではありません。
追記:2016/4/1にファイナルリリース?されてBetaでは無くなりました。
https://www.blackmagicdesign.com/jp/support/family/davinci-resolve-and-fusion
なお日本語版は現在のところありません。全て英語になりますのでがんばって使ってください。
うちの環境だとちょいちょい落ちる事もありますので、こまめなセーブは欠かせません。
一応オートセーブも作動します。
YouTubeにFusion8 BETAの使い方映像をアップしましたのでこちらも参考にしてください。
一連の流れ
・素材の読み込み
・素材にエフェクトをかけて丸い映像を平らに展開
・コンポジションの大きさ調整・映像の位置を横にずらす。
・レンダリング
・下の不要部分をBGを使って隠す
・素材の縦幅を若干小さくする
・タイムラインの範囲とインアウトポイントの調整
Fusion8 BETAをダウンロード、インストールしてFusion8 BETAを立ち上げてください。
YouTubeにアップした映像内では説明していませんでしたが最初はフレームの数で時間表記がされています。
これをタイムコードの時間表記にしたい場合は
メニューバーからFusion → Preferences → Global and Default Settings → Defaultsの中に
Time codeの欄があります。そこにShow time codeのチェックを入れるとタイムコードの表記になります。
このようにタイムコードの表記になりました。Saveボタンを押して閉じてください。
FileからNewで新規でコンポジションをつくるとタイムコード表記になっています。
ここから本編です。
まずFusion8 BETAを立ち上げるとこんな感じのウィンドウが出てきます。
出てこなかった場合はFileからNewで新規コンポジションをつくってください。
ウィンドウの表示はもしかしたら違うかもしれませんが左上にあるここらへんをクリックしていただくと色々変わります。
素材を読み込みます。
左上あたりにある「LD」と書いてあるボタンをクリックしてPIXPRO SP360 4Kで撮った映像を読み込んでください。
素材が読み込まれ配置されます。
なおアイコン表記が違う場合がありますがそこらへんは気にしないでください。
アイコン表記のでかいのが良いという場合は下の広い所を右クリックで
「Force All Tile Pictures」にチェックを入れるとでかいアイコン表示になります。
プレビュー欄には何もない状態なのでひとまず素材を表示させてみます。
下にあるアイコンをとりあえず上の空いている所にドラッグ&ドロップしてください。
と、こんな感じで素材が表示されます。この素材を展開していきます。
素材がでかでかと表示されてしまって全体を確認したいという場合はプレビュー下にある
「Fit」という所をクリックすると素材の全体表示になります。
で、これを展開する為にエフェクトを適用します。
ここでは見やすさと説明のしやすさを優先します。ウィンドウ左上にある先ほどクリックした「LD」の左隣にあるアイコンをクリックします。
するとエフェクトなどの一覧が見れるウィンドウが出てきます。
そこから「Warp」→「Coordinate Space」を探します。
元素材が選択されているのを確認してから「Coordinate Space」をダブルクリックします。
そうすると素材の横にくっついて 「Coordinate Space」が追加されたのが確認できます。
この状態だとエフェクトが適用された事が確認できないのでこれを確認する為に 「Coordinate Space」のアイコンを上のウィンドウにドラッグ&ドロップします。
今回は左上にドラッグ&ドロップ。
そうすると 「Coordinate Space」が適用された状態が確認できます。
エフェクトのかかった状態が確認できますが、これだと形と向きがおかしいですね。これを直していきます。
「Coordinate Space」をかけた状態だと上下反転された状態になっていますのでまずこれを直します。
先ほどのエフェクト一覧が見れるウィンドウの中から「Transform」→「Transform」を探します。
「Coordinate Space」のアイコンを選択した状態で「Transform」をダブルクリック
「Transform」が追加されます。
「Transform」のアイコンを右上の空いている所にドラッグ&ドロップします。
「Transform」が適用された状態が確認できます。現在 「Transform」で何も変更していないので変化はありません。
上下反転の状態を直します。右側にある「Controls」を確認、「Flip Vertically」のチェックを入れます。
上下反転が直り見た目の状態に近くなります。
次に映像の大きさを調整します。
「Transform」のアイコンを選択した状態でエフェクトのウィンドウの中から「Transform」→「Resize」をダブルクリックします。
「Resize」が追加されます。「Resize」を上のウィンドウにドラッグしてください。
「Resize」の適用が確認できます。形としてはちゃんとなっているのが確認できます。
右の「Controls」を確認します。
Widthが1920、Heightが1080となっています。という事は1920×1080のFHDの大きさのコンポジションになっているという事です。
Widthを3840、Heightを1920に変更します。
これで3840×1920のコンポジションになります。
ひとつ前の「Transform」を選択した状態で「Wrap」をクリックしてCenter Xの値を動かすと中心位置をずらす事ができます。
YouTubeでまず表示されるのは真ん中になるので真ん中で見せたいものがある場合は調整しましょう。
プレビューに映っている映像が粗い場合があります。その場合は
下にある「HiQ」をクリックするとプレビューの画質が良くなります。
展開作業はこれで一旦終わらせてレンダリングして書き出します。
「Resize」を選択した状態でエフェクトのウィンドウから「I/O」→「Saver」をダブルクリックします。
保存先とファイル名を指定すると「Saver」のアイコンが追加されます。
右側を確認して書き出しの設定をします。
今回はQuickTime Moviesを選択。
「Format」を確認。ここではH.264を選択しfpsを29.97に変更します。
レンダリングを開始するには下にある緑の「Render」ボタンをクリックします。
出てきたウィンドウの右下「Start Render」をクリックするとレンダリングが始ります。
レンダリングが終了した場合ダイアログが出ますので出来たファイルを確認してください。
これでPIXPRO SP360 4Kで撮ったVR映像を展開できます。
さてプレビューを見ると下の所が空いていたりするのですが、
ここを隠したい場合は上にある「BG」を「Resize」を選択した状態でクリックします。
そうすると「Merge」と「Background」が追加され、プレビューには黒い平面があるのが確認できます。
この平面の大きさや位置を調整します。
Backgroundを選択した状態で右側のControlsを確認。
「Use Frame Format Settings」のチェックを外し、Widthを3840に変更。
黒い平面が横いっぱいに広がります。
次に「Merge」を選択してプレビュー上にある平面をつかんで下に移動させます。
よかれと思う所まで動かしてください。これで下の部分を隠す事ができます。
ちなみにPIXPRO SP360 4K純正アプリケーションで書き出したものは少し縦幅が小さいです。
なのでそれに合わせる場合は更に大きさを調整します。
Saverの一個手前、Resizeを選択した状態でTransformを適用します。
Transformを選択した状態で
Use Size and Aspectのチェックを外し、Y Sizeを0.96、Center Yの値を0.52にします。
これでほぼほぼPIXPRO SP360 4Kのアプリケーションで書き出したものと一致していると思います。
あとコンポジションの時間の長さを設定します。
今は0から1000フレームまでとなっています。(タイムコード表記だと33:10かと)
例えば元素材の長さが1分とかあればもっと長いわけで全部のフレームを書き出したり確認したいのであればこの数字を調整する必要があります。
元素材の尺の長さを確認します。
元素材を選択して右側のTrim Outの数字を確認してみます。
ここでは9824となっています。
その9824の数字を下にある緑のRenderボタン左隣にある1000の数値の所に入力します。
これでコンポジションの尺の長さが0から9824までとなりました。
しかしアウトポイントが1000のままなのでこれを調整します。
タイムラインの1000の所にある右向きの三角形を右にドラッグしてみます。
これでアウトポイントが調整できます。
正確に数値を打ち込みたい場合は
先ほど9824と数値を打ち込んだ左隣にあるところに数値を打ち込みます。
インポイントの数値は左下2番目に数値を打ち込みます。
これでインポイントアウトポイントの設定ができます。
以上です。
YouTubeにアップする時は書き出したのをそのままアップロードしても360°にはなりませんので以下の記事を参考にしてください。
H.264で書き出しているのであれば拡張子.movを.mp4に変更する事で360VideoMetadata(「Spatial Media Metadata Injector」に変更されています)で読み込みできます。
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投稿者プロフィール
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もうだいぶ前からになりますがクラブVJをやっていました。 そこから映像関係のお仕事をやるようになり、コンサートや企業プレゼン、展示会などのムービーを創ったり、時にはプレゼンテーション素材をつくったりするようになりました。
今はPVなども制作したり動画素材を配布・販売したりしています。
■書籍も出しました【動画素材123+45】168本のFHD動画素材を収録しています。
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